王女の出て行った部屋にバースが入ると、ヘウ"ンが居心地悪そうにソワソワしていた。
「どうしたんだ?」
「うん…何だかさっきの王女様の話聞いたら、このドレスが気持ち的に重く感じて」
住人の平和を背負っている王女のドレス。真っ白で汚れないドレスだが、ヘウ"ンには重過ぎるだろう。気軽に着るようなものじゃない。
だがバースはベッドに腰掛け、笑いかけた。
「いいじゃないか。王女、安心したようにスッキリしてたぜ」
その言葉にヘウ"ンもスッキリした笑顔を見せた。
その時、無遠慮にドアを開けてジュリアが入って来た。
「バース私――」
そこでジュリアが止まった。
「どうした?」
バースが声をかけると、ジュリアは額を押さえ上を向いた。
「ヘウ"ンちゃん、そんな格好されたら私困る」
「え?」
「いつも可愛いけど、そんないつもの倍可愛いくなられたら私困る」
「死ね!」
バースはジュリアを思いっきり蹴飛ばしてやった。