王室と呼ばれる部屋に通され、バース達は玉座に座る王の前まで行った。
王室には兵はおらず、バース達と王と王女だけだった。そしてその王女は。
「私そっくり…」
顔はもちろん、背丈や髪型、年齢。何から何までヘウ"ンそっくりだった。
この世には同じ顔の人間が三人いるとよく言うが、ここまで似るものなのか。
バースがジロジロと王女は、やんわりと微笑んだ。
「いやー神人さん。わざわざお越し頂いてとても感謝しています」
王が立派な髭を撫でながら笑う。バースは王女から王へと視線を移し、
「感謝して頂かないと、こちらも報われません」
バースの嫌味に王は豪快に笑った。