穏やかな笑顔を浮かべて使用人は写真を見つめた。
確かに街の平和を救ったのなら、信頼され尊敬されるのは当然だ。
大抵権力を持つ者はわがままで自分勝手なのが多いが、この王は街の事をしっかり考えている。立派な王だ。
「守る価値はあるな…」
「何です?」
バースの呟きに使用人が振り向くが、バースは「何でもない」と答えた。
そしてまた一行は歩みを再開する。
「ヘウ"ンちゃんのお父さんも立派?」
ジュリアがヘウ"ンに聞く。
「いえ、王様ほど立派じゃないですよ。でも、家族の為に一生懸命働いてくれているから、尊敬はしてます」