神人

蛇の一頭が毒を吐くがそれは結界で塞がれる。だがもう一頭の頭突きまでは防ぐ事が出来なかった。
「うわっ！」
結界がダメージを和らげたのか、バースは受け身を取り起き上がる。「くっそー」と言ったのが聞こえる。
さっきまでバースが押していたが今は押されてしまっている。
「加勢する？」
ビオラさんの言葉にジュリアさんは腕を組み難しい顔をする。オペラはさっきからバースを助けたくてウズウズしている。
「そうしたいけど、下手に近付くと私達までバースの力に巻き込まれるし」
なのでここはバース一人で戦わなくてはならない。
「バース」
バースは空を見つめ舌打ちした。
「曇さえ晴れりゃな」
「曇？」
意味が分からず首を傾げると、ジュリアさんが空を指差しながら説明してくれた。
「星や月は神剣にとって一番強い力なの。その力さえ吸収出来れば、あんな蛇一発なのに」
曇に隠れた所に勝機がある。