そんなヘウ"ンにバースは意地悪い笑みを浮かべながら近付いてくる。その顔がとても憎らしく思えた。
「お前なー、上手く神化する事も出来ねーのに突っ込んで行くなよ。本当のバカか?」
ぽんぽん、とヘウ"ンの頭を叩くバース。今はその態度すら癪に触る。
「あんたのせいじゃない…」
「あ?」
聞き返してくるバースを、ヘウ"ンはキッと睨み付けた。それと同時に涙が頬を伝う。
「あんたが最初から助けてれば怖い思いしなくてすんだんじゃない!全部あんたのせいよ!」
銃を向けられた時本当に怖かった。死なないと分かっていても怖かった。でもバースはきっとそんな気持ち分からない。力ある神人だから。
自分のせいにされたバースは、心外だと言わんばかりに声を張り上げた。
「何で私のせいになるんだよ!だいたいお前の力不足のせいだろ!バカ!無能!おちこぼれ―――」
そこでバースは止まった。ヘウ"ンがバースの頬をひっぱたいたから。
ぱん、と音が妙に響いた。