「バースって凄い神人なんですよね」
ビオラさんは小首を傾げながら笑顔を浮かべる。
「信じられない?」
「はい…」
少なくともバースはヘウ"ンの想像していた神人とは違う。
ヘウ"ンを含めた神子の憧れのバースは、とても強くて優しくて綺麗で清純で…。
なのにいざ会ってみると、上司であるナスカさんの事をばばあなんて呼ぶし、食事だって質より量って感じでバカ食いするし、教師としてまったくやる気ないし、本当に伝説の神人なのかって疑ってしまう。
正直に答えたヘウ"ンが面白かったのか、ビオラさんは笑った。
「はは。確かに。バースは面倒臭がりだし、短気でやりたくない事は絶対やらないし、言葉遣いも悪いから神人とは思えないけど、神人としての力は確かよ。じゃなきゃ私達聖獣が三人も付かないって。ね、オペラ」
オペラさんは無言のまま頷く。普通聖獣は一人の神人につき一人しか付かない。
聖獣は元々単独で生きているので人間と行動する事は無い。だが、聖獣に認められた人間は聖獣を持つ事が出来る。認められる人間というのは、ほぼ力の強い神人だ。