オペラが出発して三時間後、バースはヘウ"ンのいる部屋の前で見張りをしていた。
ヘウ"ンはもう眠っている。
ビオラには城の周りを見張ってもらっているから、侵入者が現われても心配ない。
バースもヘウ"ン一人守ればいいので楽だ。
「来るなら早く来いよな」
呑気にあくびをしてバースは呟いた。
王から渡された犯人からの声明文には、今夜深夜に王女を奪いに来ると書いてあった。
「にしても…」
バースは部屋のドアを見つめた。
「あいつもよくこんな状況で寝られるな。昼間は騒いでたくせに」
まあ、それがあいつのいい所…なのか?