居間に行くとお母さんがお茶を飲んでいて、その向かい側に手の付けられていないお茶が置いてある。本当に来てたんだ。
「お母さん、さっき日向王子と会ったけど来てたの?」
お母さんはそれには答えず、真剣な顔で華を見た。
「華、話があるの。そこに座って」
「うん…」
何だかいつもと違う。そう思った華は言う通りに座った。
「何?」
「華に言わなきゃいけない事があるの。その胸の刻印について」
「え」
やっぱりお母さんは何か知ってるんだ。ずっとはぐらかして来たけど。