「ごめん。どこかで会ったかな?」
やっぱり。
それもそうだろう。聖王子の周りにはいつも沢山の人がいて、一人一人の生徒の顔なんて覚えているはずない。しかも、華と会うのはこれで二回目なんだから。
それでも華は、
「私、一年前にキリングドールに襲われてる所を聖王子に助けられたんです」
「そうなのか」
やはり覚えてないんだろう。聖王子の反応が薄い。
「あの時、ちゃんと助けてもらったお礼を言ってなかったので、ここで言わせて下さい。ありがとうございました」