聖は身体を起こさないまま答える。
「気分は最悪だ。お前が来た事でな」
「そんな事言わないでよー、親友に向かって。この場所作ったのも僕なんだから」
真琴は自分の事を「僕」と言う。こいつの中でそれが王子らしいんだろう。さきほどの看板を取って来たのは、紛れも無い真琴だ。
まぁ、この場所には感謝しているが、
「それより、朝の儀式みたいになってるアレ、何とか出来ないのか?」
「アレ?ああ、挨拶の事?いいじゃない。朝から天使達の声が聞けて」
「何が天使だ。私には悪魔の囁きにしか聞こえない」