一通り校舎をまわり,
愛由を職員室まで送り届け,今は涼太と2人きり。


「ねぇねぇッ☆
愛由って可愛くない?」


無邪気な笑顔で俺に訪ねる涼太。


「可愛いんじゃねーの。」


ズボンのポケットに両手を突っ込み上を見上げたまま応える。


「おいおい…
ほんとはちょー可愛いとか思ってるくせに~。」


俺の脇腹をツンツンしながら耳元で囁く。


「うっせッ!!
有り得ねぇしッ…!!」


涼太の手を払い除け,何故今焦ってる自分がいるのか頭の中を整理する。


まさか…。


俺は…愛由の事を可愛いと思っていて,しかも好きなのか…?


あの小悪魔に…


恋したのか…?





大きな瞳。


小学生並みの身長。


透き通った白い肌。


薄く香る香水。



そして…


ニヤリと笑う
薄いキャメル色のルージュの唇。


俺は…いつの間にか


君を好きになりました。