「ああ、美鈴にサヨナラはしない」


サヨナラはしない。


そんなの当たり前だろ?


「また会えるから」


もっと成長して、いい男になって、美鈴を迎えに行く。


そのときは・・もう離したりしない。


「美鈴へのプレゼント、よろしく」


俺は荷物を持って、明日香と別れ、搭乗口へ。


「本人に言いなさいよ・・大ばか者」


明日香がそう呟いたのも知らずに。










気がついたら、本はもう最後のページだった。


主人公の2人が、愛を誓う場面。


「ん?」


あとがきのページに、小さな紙が挟まっていた。


「美鈴・・」


それは、美鈴からの手紙だった。