「世界・・?」


「そう。写真に映ってるのは、俺がレンズを通して見ている世界。・・誰にも邪魔されない俺だけの世界」


「・・・」


「その俺の世界に、1人でも多くの人が共感してくれている。これほど幸せなことはないよ」


このときの私には、大河原さんの言っていることが難しかった。


「私・・ファンになろうかな?」


「美鈴ちゃんが?」


「ダメですか?」


「全然。むしろ嬉しいよ」


大河原さんの笑顔に心がぽっと温かくなった。


大河原さんのこと、もっと知りたい。


そう思った。