「省吾・・久しぶり」


振り向くと、久しぶりに見る幼なじみの姿だった。


「元気だったか?」


「うん。省吾は?」


「俺はいつも通り」


ケラケラ笑う省吾を見て、なぜか笑顔になった。


「買い物?」


「まーな。美鈴は?」


「プレゼントを買いたいんだけど・・何かったらいいのかわからなくて」


「ふーん」


少し黙った省吾は、何か思いついたのかパッと顔を上げた。


「例の彼氏だろ?」


「え、あっ・・うん」


「本買えよ」


「本?」


「知らないか?今話題の“恋光をさがして”っていう本」