なぜか今になって、留学という言葉が頭をよぎった。


淳希の温もりがないと不安で。


留学の話。


淳希には話せなかった。


離れてしまうような気がして。


「本当に甘えん坊だな。いいよ、一緒に寝よう」


「ぎゅってしてね?」


「はい、お姫様」


いつか、時が来たらちゃんと話すから。


それまで、何も言わないこと許してね?


2人はもうベッドの中にいた。


「あ、俺明日からいないから」


「仕事?」


「ああ、なんか出版社のお偉いさんに呼ばれた」


「なんで?なんかしたの?」