「ねぇ、美鈴ちゃん?」
片方の手にはカメラ。
もう片方の手は、私の後頭部に。
唇がもう触れてしまいそう。
「俺以外と・・キスしたりするの?」
妖艶に微笑む悪魔。
私は、悪魔の思うがまま。
この距離がもどかしい。
ちょっと動けば、唇に触れることができるのに。
動けない。
だって、私は・・悪魔に捕まってしまったんだもん。
逃げられない。
「顔真っ赤だよ?どうして?」
もうムリ・・何て残酷な罰なんだろう。
今日の大河原さん、絶対変だ。
でも、、
“キスしたい”
体がそう叫んでる。
大河原さんを求めてる。
もう、止まらない・・。
期待させた、大河原さんのせい。
私がこうなったのも、全部、全部・・大河原さんのせい。

