忘れるわけないだろ?


美鈴が奴に本気なのが、わかったんだから。


俺が入る隙間がないって。


多分奴も美鈴のこと・・お互い求め合ってるって感じだったし。


けど、美鈴。


幼なじみに戻る前に、最後に言わせて。


「美鈴」


「ん?」


「ずっと好きだった。小さい頃からずっと・・美鈴が大好きだ。愛しいって思ってた」


あんなことしたけど、美鈴への想いはホンモノだから。


自然と思い出になるまで、想わせてな?


美鈴は少し黙ったけど、視線が重なり、優しく微笑んだ。


「ありがとう」


今の俺には、それだけで十分だ。


やっと、ちゃんと想いを伝えられたから。


さよなら、俺の初恋。


これからは、またいつものように幼なじみに戻ろう。


そっと、心の奥に鍵をかけて。



ー省吾サイド 終ー