気を取り直して浅田は、次のステップへと進んだ。


助手を努める後輩の田中に、クランケの心臓を触らせる。


「今回のオペを『オン・ビート』にしたのには訳がある。動いている心筋を触る事により、変異部分の特定がし易いという利点があるんだ♪
田中、これならお前にだって変異部分が判るだろう?」


しかし、心筋を触りながら、田中は難しい顔をして首を横に振った。


「いえ…僕にはどこが変異部分なのかさっぱり……」


「ハハハ♪まだお前には無理か♪よし、俺が代わろう」


そう言って、田中に代わり心筋に手を添える浅田だったが、暫くしてその浅田の顔に焦りの色が見え始めた。



(さっぱりわからねぇよ……)



イメージトレーニングの時とはまるで違う。
まったく予想以上の難しさである。


そして、一体どこを切れば良いのかメスを持ったまま固まる浅田に、更なる試練が襲いかかった!