「確かに、木村さんの仰る事は全てその通りです!ですから、私共としましては出来る限りの事を……」


「それがコレかよ!」


木村は、先程浅田がしたように三本の指を立てる真似をして喚いた。


浅田の額に滝のような汗が噴き出す。


(なんだよ……この展開はよぉ……)


三百で丸く収めようなんて、甘い考えだった。


「…では、コレではどうでしょうか?」


浅田は仕方なく、あと二本の指を付け足し、慰謝料を五百万円に釣り上げた。


(頼む!これ以上は絶対無理!)



しかし……




それを見ても、なおかつ木村が納得する事は無かった。


「ふざけんなっ!
アンタ全然わかってね~な!」


テーブルを荒っぽく掌で叩いて、木村が勢いよく立ち上がった!


(ひえぇぇ~~っ!
殴られるぅぅ~~っ!)