「なんという画期的な術式なんだ!」


「素晴らしい!」


「ブラボーー!」


沸き上がる二階の見学室。


その全ての人間がチーム・バチスタの快挙に立ち上がり、彼等の為に惜しみない拍手を送った。


手術は無事成功。


浅田のクシャミによるミスもこれで帳消しである。





と、言いたいところだが……



実は、このバチスタ手術。すでに始める前から、とんでもないミスを犯していたのである。


その事に最初に気付いたのは、術後のケアの為にオペ室に入っていた、内科医の山下であった。


山下は、クランケの顔を見ると首を傾げてこう言った。


「あれ?……この人。
昼間、健康診断に来ていた木村さんじゃないのか?」







「は?・・・・・・」