「ヘックショイ!」









「あ・・・・」








その瞬間。チームバチスタ全員の驚いた目が、クランケの心臓に集中した。


(ヤベッ……関係ねえ所切っちまった!)


「そこですかっ!そこが変異部分なんですかっ!浅田センセイ!」


興奮した田中が、両手をバタつかせて喚き散らした。


誤って浅田が切った心臓の部分からは、勢いよく鮮血が飛び散る。


「クソッ!」


メスを放り出し、慌てて傷口を手で押さえる浅田。


「何してる田中!早く縫え!」


「ええええ~~っ!僕がですかぁぁああ~!」


「そうだよっ!お前助手だろっ!」


「だって血があぁぁっ!血がこんなにいぃぃっ!」


パニックになり半泣きの田中。


「泣くなよっ!
早くしねぇとクランケが死んじまうだろ!」


「浅田先生!クランケの脈拍、下がってます!」


「うわぁぁぁああっ!」


「頼むから落ち着け!田中!」


これではまるで救命救急である。


しかし、この浅田の致命的なミスがこの後更なる奇跡を生む事となるのだった。