確かに、この雑誌に写っているあたしは本当にかわいいと思う。 でも、それは岩崎輝や千秋さんがあたしをかわいくしてくれたから。 本当のあたしは…―― 「あたしは香織さんが思っているほど、可愛くも才能もありません。」 そして立ち上がって、もう一度香織さんと雅司さんを見た。 「あたしに夢を見させていただいてありがとうございました。」 頭を1回下げてその場を去ろうとした。 でも、ドアに寄っかかっている人にあたしは振り返るまで気付かなかった。