「あたし、見える?」
「はい、見えます。」
そう笑って言うとあたしの髪を撫でてきた香織さん。
「正にシンデレラね…。」
「シ、シンデレラですか?」
あたしが呆気にとられていると香織さんは頷いた。
「つばさちゃん、もう一度お願いするわ。芸能界に入らない?」
はっきり言うと、あたしがこんなに可愛くなれるなんて思わなかったし…
こんな機会をくれたのも香織さんだと思う。
でも、あたしに才能なんてないと思うし、やっぱりこの世界はあたしには合ってない気がする。
「香織さん、お話は嬉しいですが、あたしにはやっぱり合わないと思うんです。」
ごめんなさいと頭を下げた。
こんなあたしをここまで言ってくれているのに。


