そんなあたしに気づいてるのか、気づいてないのか葵さんはひとりで話している。 「……葵?」 この状況に困っていると、社長室から彼がついに出てきた。 「あ、輝。」 輝くんの登場に嬉しそうに葵さんは彼にくっついた。 「翼ちゃんに会ったからちょっとお話してたの。」 葵さんの言葉で始めて彼の視線がこちらに向いた。 ほんのちょっとしか会ってないだけなのに、胸が焦げるように熱い。