話し合いはまずドラマの設定や内容の確認や変更、撮影の流れについてだった。
初めて聞くことで、必死についていくので精一杯だった。
「では、今日はこれで。」
神澤さんの言葉に座っていた人たちが立ち上がった。
「翼ちゃん。」
広げていた台本とかをしまっていると声をかけられた。
「…神澤監督。」
手にはたくさんの資料を抱えた監督。
「期待してるからね。」
そう一言かけるとドアの方に歩きだしてしまった。
「はい、頑張ります。よろしくお願いします。」
その背中に少し大きめに声をかけた。
神澤監督はその返事の代わりに手を軽く上げて会議室から出ていった。


