「…失礼します。」 柏木さんの後に続いて中に入る。 「待っていたよ。」 そう笑って迎えてくれた人は事前に教えていただいた監督の神澤さんだ。 「はじめまして、青山翼です。よろしくお願いします。」 急いで頭を下げると肩をポンっと叩かれた。 「想像通りの子だ。よろしく頼むよ?」 「はいっ。」 考えていた以上のスタッフの人々に紛れて、水嶋健の姿があった。 やっぱり、あの人で間違いない。