いつものモデルの時のスタジオと違って、人はいっぱいいるし、部屋の数も数えきれない。 初めてのものばかりで、あっちこっちとキョロキョロしてると柏木さんに怒られた。 ちょっと反省していると柏木さんはひとつのドアの前で止まった。 ここか。 さっきまでの緊張がまた一気に上がってきた。 「入るよ?」 あたしに確認した柏木さんに小さく首を縦に振った。