そうこうしているうちにテレビ局に着いてしまった。



今だにガチガチのあたしの背中を軽く、柏木さんは叩いた。



「ほら、そんなに怖い顔しない。第一印象は肝心だし。普段の翼ちゃんらしい笑顔じゃなきゃ、役を変えられちゃうかもしれないよ?」



「…はい。」



その言葉に一回深呼吸をした。



そんあたしを見た柏木さんは笑って、大丈夫だともう一度言ってくれた。



よし、行ける。



そしてあたしは初めてテレビ局に入った。