なんとも気まずい空気に包まれた時、聞き慣れた声が聞こえてきた。 「友達がきたみたいだね。じゃ、俺は。またね、青山翼ちゃん。」 「…えっ!今、」 驚いて彼の顔を見るが、既に彼は人ごみの中に消えて見えなくなっていた。 今、確かにあたしの名前を言った。 どうして…? 「つばさッ!」 考えていると背中に抱きつかれた。 「…夏希ちゃん、ひさしぶり。」 夏希ちゃんは肌がちょっと陽に焼けていたけど、いつもと同じ笑顔を浮かべている。