「えっ…でも。」 あたしは始めから彼がメイクもヘアセットもしてくれた。 それはただクラスメイトだったからじゃなくて…? 少し困惑していると、香織さんは立ち上がってあたしの横に膝をついた。 「あなたには才能がある。」 香織さんの真っ直ぐで綺麗な瞳が力強くあたしを見つめてくる。 “才能がある” なんて過去に言われたことがあっただろうか? ううん、きっとなかった…。