「もしかして好きな物ない?」 いつまでもメニュー表を見つめていたせいか香織さんは不安そうにあたしを見た。 「い、いえ!和食大好きです。」 すぐに弁解すると良かったと香織さんは笑った。 でも、高いのなんて頼めない。 どうしよう…。 「翼ちゃん。迷ってるんでしょ?」 「えっ…?」 柏木さんの方を見ると何かを察してくれたのか笑ってうなずいてくれた。