「翼ちゃん、もうちょい右…そうそう。」 雅司さんに言われるがまま人形のように、右へ左に行ったり、来たり… 今は撮影する位置の確認中。 なんと、いきなり表紙に載れることになったみたいで…。 柏木さんはかなり興奮したように話してくれた。 普通のモデルさんは1年続けても載れるかはわからないくらいらしくって、 今回のあたしは例外みたい。 「じゃ、10分休憩。その後撮影ね?」 「はい、ありがとうございました。」 スタジオの端にある椅子に座ると柏木さんがタオルとお茶を手渡してくれた。