自分の頬を押さえていると入り口が少し騒ついた気がした。 スタッフさんと共に入ってきたのはあたしが一番苦手な雪島葵の姿が…。 もしかして今日一緒に撮影? そう考えただけで気が重くなる。 「あらッ!!翼ちゃん。」 どこか鼻に付く声。 皆はきっとかわいいとか綺麗な声って言うと思うけど、あたしは苦手。 「あ…葵さん。今日はよろしくお願いします」 自分なりの精一杯の笑顔で答える。