教室を出たにしろ授業までもう5分を切っている。



「サボっちゃおうかな。」



いまさら戻るのもイヤだし。 



そう思って屋上に足を進めた。 



うちの学校は屋上が解放されている。 



だからいつでも入れる。



ドアを開けると誰もいないみたいだ。 



あたしは辺りをキョロキョロ見てから中に入って、いつも座る場所に腰を落とした。 



今、あたしが座っている場所はドアからも死角でそして屋上の真ん中に立っても見えない。 



いわば隠れ場所。 



それを見つけたのは去年の秋。 



お昼もここで食べている。 



いままでここに違う人がいたことなんてないし、会ったこともない。 



だから知ってるのはあたしぐらいだと思う。