「逃げるぞ!!!」 「へ!? うぉわッ!!?」 聞き返す暇もなく手を掴まれたあたしは咲虜の後に続いて人混みの中を突き抜ける。 「あ!!! 逃げた!!!!」 「やっぱり本人なんじゃないの!!?」 「それはないって!!!」 「でも似すぎだよ!!?」 「ちょっと待ってくださーい!!」 口々に叫ぶ女のコ達。 さすがにヤバイと感付いたのか、立ち止まって振り返った咲虜。 女のコ達の声がピタリと止む。 数秒の沈黙を破った咲虜の一言。 「…よく間違えられるんですけど俺、神崎咲虜の双子の兄なんです」