「言わなきゃって思ってたんだけどなかなか言えなくて…。」 「そっか。」 俺はそっかしか返せなかった。 分かってたことだったから。 どうしてどうにも出来なかったんだろう。 俺って駄目だな。 「私、着替えるね。」 それで俺は我に返った。 最悪な事が起きても良いように。俺が先にキスしよう。 菊沢より先にキスしとけば少しは気が楽になるだろう。 「待てよ。」