とても良い雰囲気だけど、彩梨は何かを言いたそう。 様子も最近変だったし聞いてみようか。 「どうしたの、彩梨。何か言いたそうだけど。」 「えっ、べっ別に。」 いやいや、分かりやすいですよ。 「分かりやすいから。」 そう言うと観念したのか、 「劇の本番にね、ふーちゃんとキスシーンがあるんだよね。本番だけでいいって言われたんだけど。」 「そっか。」 やっぱりそうきたか。 だから最近俺の唇ばっかり見てたのか。 俺の中で全てが繋がった。