まだ俺も小学生やって言ってもバカ相手に喧嘩なんかせん。


無視ればいいか、とか軽く思いよったら、


俺の後ろから突然、風を切る音がした。


見たら後ろの奴が、俺の相手に飛び蹴りしよった。

何で、手出すんだよ、とか怒鳴り付けようと思ったが止めた。

バッカみたいやけど、怖かった。


まるで俺の全てを知り尽くしてるみたいな、野良猫の瞳。

今の朱音とそっくり。


そんな朱音よりも俺がビビったんは………









『青依、今日行くのか?』

物腰柔らかい諒弥が言うたとは思えん鋭い声。


バスケでも見せない、まじな声。



そんな諒弥の声にも動じず、


『今行かなきゃ、誰が行くの?

あれはあたしがいない限り、ただの人達。

責任取って行く以外に方法があるなら教えて。』


答えられない問いかけをしてきた。