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夕焼けも静まった暗がりの夜空。

『……ったく、何で俺が……。』

“あたし、杏とアンタの荷物運ぶからあんたは杏を運んでよね?

普通、彼氏だったら出来るよね?

てかあんたなんかに拒否権なんて一切いらないわよね?”

閻魔様並みのどす黒いオーラを放ちながら微笑む朱音。


“陸、安心しろ。

意外と青依にだって優しい一面が……。”

ドスッ

“黙れ、このバスオタ帰国子女が。”


諒弥はその場で朱音の支配下に置かれる。

大丈夫、まだ俺の方が辛い。

……だけど、









『……何で俺がこんな目に当たらんといけんのや″!!!』


アホちゃうか?

普通の女っちゅう物は大和撫子・良妻賢母みたいな清らかかつ、美しい存在やろ!?

なのに俺の周りには完璧主義な暴走系美女やら天然系ユルキャラモテ仔やら……

普通じゃありえへん奴等ばっかおんねんで!!

ま、そもそも俺みたいな存在が神に等しい……


ガンッゞ!!!

『……さっきから黙って聞いたら文句並べっぱなしじゃねえかよ、陸。』


………忘れてました。

確か二人ともと帰り道は同じ……。