……………………………
『……っ杏!!!』

慌てて閉められとったカーテンを開けた。

その中にいたのは、頭に包帯を巻いた杏と少し目を赤くさせた朱音。

それと、









『………遅すぎなんだよ、バーカ。』

『……直……汰。』

直汰がいつもとは違う真剣な顔つきで俺を見てた。


『……何で、直汰が』

『最初に発見したの、新原だったから。』

と少し震えた声で呟く朱音。


………直汰が、杏を?

想像しただけで、胸が締め付けられた。


何で、俺じゃなかったんやろうって。

『………新田さ、ずっと呟いてた。


“………陸”


って。

きっと何かトラブって陸に助けを求めてたんだよ。』


……あぁ、今杏が目覚めたら

一番最初に抱き締めたくなってきた。

まぁこんな人達の前でやるのは無理やけど。

でも直汰、


『何で知ってんだよ?

俺と……杏が付き合ってる事。』


するとアイツはわざとらしく溜め息を着いて、


『普通分かるだろ?

いっつもお互い見つめあったり、いい雰囲気になったり……









ホント、ムカつくくらいな。』


………は?


『まさか、お前杏の事………』

『おっと、喋りすぎたかな。

じゃあ、大切にしろよ。』


最後は新原らしい調子で颯爽と帰ってもうた。