まずは練習時間の増加。

リレーメンバー全員が運動部やから、必然的に朝練が必要となる。
朝7時に集合し、授業が始まる8時15分までの一時間半と言う練習時間には多くの不満があったっちゅうのに、
『あたしは焼肉の為ならどんな手段だって使うわ。』

朱音の鶴の一声で決定した。

つか脅しやろ、あれ。
それから毎日50㍍走の記録。

昨日のタイムより遅かった奴は、


『1つ、秘密をばらすって言うのはどう?』
と言う悪気なさげな杏の一声で決まった。

そしてリレーを出来る限り再現。

バトンパスを中心に同じコースを何べんも走るわ走るわ……

おかげで授業中には爆睡する奴続出。

やけど諒弥の


『寝た奴には校庭の中心で愛を叫んでもらおうぜ!!』

と言う何気ない一言から日々、俺達はいかなる方法で寝まいかと考え続けた。

ちなみにこの前、寝ないようにと直汰が自分の手にシャー芯を指したのだが、









『……グギャ″″!!!』

と授業中に叫んでチョークが飛んできた事がある。

全ては焼肉のため、
全てはテストのため、

俺等はめきめきと進歩をしていったのだが、

そこで待てやと言う事件が起こる。