「ごめんね。青依、文花。」


「別にいいわよ。ね、文花??」


「そうよ。青依とあたしは杏と違って勉強OKだし♪」


………まぁ、そうだね。

二人とも成績はクラスの中でもトップクラス。

あたしはいつも最下位ぐらい。


とてもじゃないけどこの学園に見合った頭脳じゃない。


「でもほんっと大野ってKY!!

杏が傷ついてるのに追いかけて来ないんだよ??」


ドシンっと隣のベッドに座る青依。

ポケットから携帯を出して誰かにmailしてるみたい。

「でも予測不可能でしょ??


まさか杏に両親のコンプレックスがあるなんて。」


………コンプレックス。


そこまで言う必要はないけど、

明らかにあたしは両親に会うのが怖い。





















「………多分、体育祭の時に来てたらしいよ。


「…………嘘っ!!!」


あの人が………!!

「……あたし応援団だったから会場見回せたんだけど、

杏のお父さんに似た人見つけたよ。」


「あたしも。


室内の演奏の時に似た人を見かけた。」


「………やっぱり、来てたんだ。」



………お父さん。