「陽?起きたの?」

台所からの声は、母親だ。


母親は、マイペースな性格。


俺の記憶する限り、
今まで一度も、
母親に怒られたことがない。


父親とあの姉には、
毎日のように叱られているけどな。


「何回か起こしたけど、

 なかなか起きなかったのよ。

 ご飯食べるでしょ?」



流石だ。



あの階段から転がり落ちた音を聞いても、

全く動じてない。




俺は、ハッとした。



急がないと本当に遅刻する!!



転がり落ちた体制から、

急いで起き上り洗面所に向かった。