『もぉすぐ到着だよぉー』



地図を見ながら友人の優奈が言った。



「ここ大丈夫なの?」



あたしには全くと言っていいほど霊感はないが、周りは森に囲まれていて、バスを降りたときから少し不気味な感じが漂っていた。



『大丈夫だよぉーっ!』



優奈は少しも表情を変えないで今日あたし達が泊まる民宿をきょろきょろと探している。



『沙夜ちゃん普段はクールなのに意外と怖がりなんだぁ。』



あたしの顔を覗き込みながら優奈が言った。



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