控えめに開いた扉。
…そして、
「…な…つ、み…?」
久しぶりに聞いた声。
深くキスを交わしている俺達を見て、目を見開いた。
「…ぇ…」
チロチロと動揺の目。
「…。」
麻由美は、キスに夢中でそんなことには気付いていない。
「…っ」
…その時、俺は自分の目を疑った。
「…ッ!!!」
何もいわずに走った…リナ。
「……」
…泣いて、た…?
…まさか。
そう、信じたいのに。
目に飛び込んできたアイツの…梨奈の涙が、イヤに目に焼きついて離れない。
「……っ…れ、ん…?」
唇を離して、扉の方に向いている俺を見た麻由美の不思議そうな顔。
…声。
「…?」
“…どうかしたの…?”
そう言って俺に触れようとした麻由美。
――…違うだろ。
そう、思った。
―――パシ…ッ
「…っな…!?」
俺は近づいてくる麻由美の手を払った。
そして。
「……悪りぃ。………やっぱ無理。」
そう言った瞬間、俺は教室を飛び出して走っていた。
…ただ、何も考えず。
リナには泣いてほしくない。
…という一心だけで。
