『…別れよう』
…やっぱり。
正直、こうしか思わなかった。
そんな俺が気になったのは、女…、梨奈の反応。
一瞬の表情さえ逃さずジッと見ていると、
『…、…ん』
大して別に変らない表情。
『……』
それはあまりにも予想外で、俺は軽く眉をひそめた。
…なんだ…、
あの、女…。
それは、
…やっぱり第一印象と変らなくて。
『…悪いけど。イマイチ梨奈が何考えてるか分かんねぇ』
…多分、
彼氏“だった”あの男も感じたことだろう。
全く、つかめない奴。
…確か、フルネーム
深田 梨奈。
…って言ったっけ?
『…へぇ』
…深田 梨奈、か。
…本格的に興味湧いてきた。
ふと気がつくと、男は俺とは逆の向こう側へと歩いてく。
…梨奈は、そんな背中を黙って見送った。
『…』
寂しそうでもなく。
…未練さえ、なさそうに。
