「…リナ?」
あの、“梨奈”という女。
「……」
…また、か。
返事がない時は、大体そう。
…なんだろな。
“癖”
とはまた違ったモノ。
瞳を軽くうつ伏せて。
これは…。
付き合って、知ったこと。
…ただし、条件付きで。
ふぅ…、と口の中でタメ息とも言えないタメ息をついて。
「…リナ?」
もう一度。俺は、リナの名前を呼ぶ。
そんな俺の声にハッとして。
「…っえ!?」
俺へと、視線を変えた。
そんなリナに、
「ボーっとしてる」
いつも俺はそう言う。
…そういや。
あん時も、…だっけ?
「…や、そんなことないよ。
…大丈夫。」
リナも俺も。
全然変らない受け答え。
「…そ」
別に、初めて口聞いたときから何も変らない。
…まぁ、変わんのも不自然か。
まだ、この関係が始まって9日目。
…出逢って、9日目。
後…、5日。
