「……っ…はぁっ…」
自惚れ過ぎてた。
…バカみたい。
本当は。
…本当、は……分かってたのに。
この胸の痛みも。
この、涙の意味も……。
きっと、認めたくなかっただけで。
振り返れば、すぐに分かるような気持ちだったのに。
傷つきたくなくて。
こうやって…、
やっぱりただの"賭け"にしか過ぎなかったことに気付きたくなくて。
こんなので"落ちた"なんて嫌だったんだ。
落ちたら、すぐに捨てられそうで。
「……バカ、だな…。あたし。」
ふふっと哀しく笑って、あたしはみんなが帰ってしまって中々誰も通らない廊下で足を止めた。
『…。……よく、分かってんじゃん?』
