その一言に航太郎の悪知恵に京子は
改めて気付かされた。

『アイツ‥。なるほどね‥。』

それから、一時間半ほどの間、三人は
あぁでもない、こうでもないと言いながら
和気藹々と料理の準備を楽しく進めていた。

「ピンポーン♪」

その音にようやく、航太郎が

「やっと来やがったなぁ‥。」

そう言いながら、インターフォンに出た。

「おぅ。お早いお出ましだなぁ‥。」

ぶっきらぼうにそう言うと、
受話器を置いて玄関に向かった。

その様子に京子が

「わざといじめるのよ‥やな奴でしょ?」

そう言って、ちょっと驚いている風の
真奈美に

「ほら‥ちょっと、お化粧直ししてくれば?」

その言葉に、はっとして

「や、やだぁ‥もっと早く言ってよぉ‥。
もう、間に合わないじゃないのぉ‥。」

「大丈夫よ‥こっちから、洗面所に
行けばいいの‥。ほら‥バッグ取ってきて。」

慌てて、リビングに置いてあるバッグを
持つと、真奈美は京子と洗面所へ
向かった。