そこには、50代を過ぎたおばさん達が赤の他人同士で共同住宅を建てて住むといった記事だった。

『ゲッ!部長ったら、私の事、一生独身だって決め付けてるのかよぉ‥ひどぉい。』

「これってぇ‥」

「あっ、いや、違うよ。君がずっと独身だって言う意味じゃないよ。これって俺にも関係あるわけだよ。熟年離婚だってあるわけだからさぁ‥それより、この、赤の他人同士で住むってことに興味があるわけだよ、俺は‥。男にはそういう感覚ないわけだよ。どう思う?」

「そうですねぇ‥女同士って案外、ちょっとした共通点や共感が見つかれば意外に平気かもぉ‥。でも、私はイヤだなぁ。なんだか‥でも、一人よりはやっぱり誰か居た方がいいのかなぁ。はぁ~。なんか、朝から暗くなるような記事見せないで下さいよ、部長。考えちゃうや‥。」

「悪い、悪い。そんなつもりは全くなかったんだよ。」

『マジ、気分落ち込むぅ。全くもぉ、部長ってば、そういうところまるで無神経なんだから‥。』

でも、別にむくれていても仕方がない。真奈美は気持ちを切り替えて部長に言った。

「ほんと、ひどいなぁ、部長。私、一生独身なんてつもりないんですから、この際、誰か一人くらいステキなヒト紹介してくださいよ。」

『言っちゃったぁ~。でも、ま、いっか。ウソじゃないし‥』

「えっ?そうなの?なんか、まるで興味ないって感じだからさぁ。わかったよ、誰かネ‥よし、考えとくよ。」

「ほんとに?」

バツが悪くなって思わず言ってしまった。

「冗談ですよ。」

『はぁ~、やだやだ。』

また、出ちゃったよ‥『やだやだ』が‥。